競馬予想AIを自作した理由と全体像|16年分のレースで回収率を正直に検証

AI開発記

※本記事には広告が含まれます。馬券の購入は20歳以上・自己責任でお願いします。

こんにちは、たれぞうです。最近、JRAのレースを予想するAIアプリを自分で作って、実際に動かしています。

この記事では、なぜ予想AIを作ろうと思ったのか、どんな仕組みで動いているのか、そして16年分のレースで検証した結果をまとめます。今後の開発記の「目次」になる記事です。

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この記事で分かること

  • 競馬予想AIを自作しようと思った理由
  • 予想AIの仕組み(どんなデータを見て、どう判断しているか)
  • 過去16年分のレースで検証した的中率・回収率

なぜ競馬予想AIを作ろうと思ったのか

このブログでも昔、競馬の記事を書いていましたが、勘と雰囲気で買うことが多く、正直なところ、トータルの収支はマイナス120万円でした。

一方で、ここ数年でAIを個人でも手軽に使えるようになりました。「過去のレースデータから、自分の勘より良い判断ができるのでは?」と思ったのが始まりです。

目標は回収率を上げること。そして、その結果を都合の良い数字だけでなく、正直に検証して公開することです。

予想AIアプリの全体像

アプリは自宅のPCで動かしていて、iPhoneからも予想を確認できるようにしています。学習に使っているのは、2010年から2026年までのJRAの公式データ、約5万8,000レース分です。

競馬予想AIアプリの「成績と学習」画面。学習に使ったレース数と、判定ごとの回収率が表示されている
自作アプリの「成績と学習」画面。学習の状況と、判定ごとの成績が一目で分かるようにしています

① まず「市場の予想」をスタート地点にする

競馬のオッズは、たくさんの人がお金を賭けた結果なので、それ自体がかなり正確な「みんなの予想」です。そこでこのAIは、ゼロから勝ち馬を当てようとするのではなく、オッズから計算した勝率をスタート地点にして、オッズに表れていない分だけを上乗せ・差し引きする考え方をとっています。

これは、競馬の予想で大きな成果を上げたことで知られる「ベンター方式」と呼ばれる考え方で、統計の世界では「条件付きロジット」という手法を使っています。

② 約30の要素で、オッズとのズレを探す

オッズに上乗せする材料として、各馬について次のような要素を数値にしています。

  • 近走の成績:前走の着順、近5走の平均着順や3着内率、人気以上に走ったか
  • 走り方:前に行くタイプか後ろから行くタイプか(脚質)、最後の3ハロンの速さ
  • 条件の変化:距離の変更、芝・ダートの変更、休み明けかどうか、馬体重の増減
  • 人の要素:騎手や調教師が、人気以上に勝たせているか
  • 血統:父や母の父の産駒が、今回の芝・ダート、馬場状態、距離で走っているか

AIは過去のレースから、それぞれの要素がどれくらい勝ちやすさに効くのかを学習します。面白いのは、「スピード指数」や「調教評価」のように効きそうな要素でも、検証すると予測が良くならないものがあることです。そういう要素は思い切って使わないようにしています。

③ 期待値が1を超える買い目だけを選ぶ(万札式)

AIが出した勝率とオッズを掛け合わせると、「その馬券を買い続けたら、平均でいくら戻ってくるか」という期待値が計算できます。期待値が1.0を超えていれば、理屈の上では買うほどプラスになる馬券です。

このアプリでは、期待値が1.0以上の馬連・枠連があるレースだけを「勝負」と判定して買う方法をとっていて、これを「万札式」と名付けました。それ以外のレースは「様子見」か「見送り」にします。

16年分のレースで検証した結果

予想AIは、過去のデータで良い成績が出ても、未来のレースでは通用しないことがよくあります。そこで、各年のレースを、その年より前のデータだけで学習したAIで予想し直す「前向き検証」という方法で成績を測りました。未来の情報を使ってカンニングしないための方法です。

判定レース数的中回収率
勝負34,2074,553101.3%(±1.9)
様子見7,0373,33685.7%(±1.5)
見送り13,2096,22480.2%(±1.0)
検証期間:2011年1月〜2026年10月。買い目は各100円、確定オッズで計算

「勝負」と判定したレースだけを買うと、回収率は101.3%でした。競馬は馬券の種類ごとに払戻率がおよそ70〜80%に決められているので、何も考えずに買うと長期的には2〜3割負けます。それを考えると、「見送り」のレースは80%前後と市場並み、「勝負」のレースだけが100%を超えているので、AIの判定はきちんと働いていると言えそうです。

ただし、正直に書いておくと、±1.9という「ぶれ幅」があるので、101.3%は「確実に勝てる」と言える数字ではありません。年ごとに見ても、2023年は117.9%と好調な一方、2024年は88.9%と負けている年もあります。また、確定オッズで計算しているので、発走前のオッズで買うと少し下がる可能性があります。

AIの「勝率」は、どれくらい正確か

もう一つ確認しているのが、AIが「勝率20%」と言った馬が、本当に20%くらい勝っているかどうかです。

AIが予想した勝率と、実際に勝った割合を比べた表
予想の勝率ごとに、AI・市場(オッズ)・実際の勝率を比べた表

たとえば、AIが勝率40%以上と予想した馬は、実際に48.9%勝っていて、AIの予想(48.8%)とほぼぴったりでした。どの帯でも予想と実際がほとんど一致していて、AIの出す勝率は信頼できる目盛りになっていることが分かります。

これから書いていく開発記

  1. 予想AIのしくみをもっと詳しく(オッズから勝率を出す考え方)
  2. 効いた要素と、効かなかった要素
  3. LightGBM版と、いまのモデルの比較
  4. 予想AIを1か月使った検証結果(毎月更新)
  5. PCで動かすアプリをiPhoneから見る方法

記事を公開したら、この一覧にリンクを追加していきます。

まとめ

競馬予想AIは「当たる魔法」ではなく、データを使って判断を少しずつ良くしていく道具だと考えています。16年分の検証では、「勝負」のレースに絞ることで回収率が100%をわずかに超えましたが、まだ誤差の範囲です。うまくいったことも失敗したことも、正直に記録していきます。

AIを使った個人開発に興味がある方の参考になればうれしいです。更新はX(旧Twitter)でもお知らせします。

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