【JR西】福知山線脱線事故 ポリちゃん想定問題集【考察】

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事故

JR西 福知山線脱線事故について考察していた頃の記事をなぐり書きレベルですが紹介します。

2009年頃に書いたものです。


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「ポリちゃん想定問題集とはなにか?」

事故の調査をしていた兵庫県警の事情聴取の対応マニュアル
同社の安全運航に携わる担当者が作成
同社を家宅捜索した際に、押収した資料に含まれていた 
  →JR西は個人資料であり、組織的関与はないと主張

取り調べを受ける社員らに対して、事故の関係資料
(鉄道本部会議の議事録、自動列車装置ATSの設置経緯、’96年12月JR函館線脱線事故の概要のほか、既に聴取された社員の供述内容をまとめたメモを配布
被害者を対象にした謝罪と経緯説明の会で、同社が明らかにした
土屋隆一郎副社長、「参考資料として配布した事が供述内容の指導にあたると検察から指摘された。捜査の協力するためだったが、みなさまに不信感を抱かせ、反省している」と釈明               →社内で口裏合わせするためではないのか?

「本当に過密なダイヤなのか?」

‘05年4月26日朝刊 朝日新聞より
ラッシュ時は3~4分間隔、事故当時も5~6分間隔で運転し、宝塚-大阪間は最速で23分、阪急を7分上回る速さ

JR西日本は、並走する私鉄との競争など、営業上の理由から運転時間の短縮を図っていた。宝塚駅~尼崎駅間の運転時間(基準運転時間+停車時間)の16分25秒は、1999年3月時点の時間から2002年3月に20秒、2003年3月に20秒、2004年10月に10秒と3回にわたり合計50秒短縮された結果であった。このため、定刻どおり運転することが非常に難しいものとなっていた。このことは、快速列車5418Mも事故前平日65日間の半数以上の日に1分以上遅延して尼崎駅に到着していた事実からも伺える。

本数で比較すれば、山手線など福知山線より多い路線が挙げられるが、本数の数が日本一でなければ過密とは言えないというわけでもないし、運転時間を定刻通りに運転するのを困難にさせるほど短縮して本数を増やしている事から、その路線において、事故当時のダイヤは過密であったものと判断できる。
→ダイヤを組むスジ屋と呼ばれる人たちに責任はないのか?

スジ屋とは、会社では運輸部に所属するダイヤグラムを作成する人の事を言う。つまり、企業の1つの部署に所属する会社員にすぎないのである。よって、企業の経営方針を根底に置き、ダイヤを組み、そのダイヤに対して評価を出すのは上層部である。どういったやり取りが実際に行われたかは推測でしか考えられないが、専門家であるスジ屋が作成したダイヤの安全性に理解が及ばなかったとは考えにくく、その安全性を欠くダイヤを施行するに至った背景には経営方針を振りかざした上層部の決定によるものが大きいものと考えられる。したがって、会社として安全重視の経営方針を取っていたのであれば、無理なダイヤを作成したスジ屋に責任を追及する事も理解できるが、当時の経営方針を考慮すると、スジ屋よりも経営を重視した上層部に責任があるものと考える。

運転士がオーバーランした伊丹駅の次の停車駅である尼崎駅はJR神戸線、JR宝塚線、JR東西線、阪神電気鉄道の複数路線の集まる駅であった。

快速を運転する運転士にしてみれば、尼崎駅に着くのが遅れることは、乗換などに支障をきたし多くの人に影響を及ぼす為、処分の対象となってしまう恐れがある。 その精神状態で、福知山線内において、伊丹-尼崎間の急カーブ前までは直線に近い路線なので、速度を出しやすい。この事から、運転士はギリギリまで速度を出してカーブを曲がれる程度に速度を落とせばいいだろうと考えていたものと推測できる。

しかし、実際は上手くいかず事故が起きたわけであるが、そういった精神状態になる事は今回の運転士が初であったとは考えにくい。それは、事故前数十日における遅延の結果からも事故を引き起こした運転士同様に遅れを取り戻そうと速度を出していたのではないかと予想する事は容易である。すなわち、この福知山線脱線事故では高見運転士によって引き起こされてしまったわけだが、別の運転士が運行している時に同様の事故が引き起こされたとしてもおかしくはない。

では、JR西日本はこれを防ぐことはできなかったのか?

事故前日から現行のダイヤでは遅延が多く発生しており、運転士に対してもプレッシャーを与えている事は理解できたはずである。その理解が及ばなかった原因は、立論で述べた日勤教育の理念によるものが大きい。したがって、現場の状況について理解できていたならば、運輸部にダイヤ改正を指示することが考え付いたはずである。実際、事故後の対策としてダイヤ改正を行っているのだから、事故前に行う事も可能であろう。つまり、事故を直接引き起こした運転士であるが、会社の経営方針、及び事故前における対策の無さなどによる間接的な要因の方が今回の事故に大きく寄与しているものと考えられるので、運転士や車掌などの現場に携わる人間及び会社から指令を受けて働くダイヤ作成者、車両設計者よりもJR西日本の方に非があるものと考える。

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