今何かと話題のPCRですが、よく私が学生実験でやっていたので、その歴史について簡単に説明したいと思います。興味がある方はぜひ御覧ください。
PCR…試験管内でDNAを増やすこと
元のDNA(鋳型)
+4つの基質ヌクレオチド(dNTP)
+酵素(DNAポリメラーゼ)
+プライマーDNA熱変性(1本鎖化)
→ プライマー添加 →冷却(ハイブリダイズ)
→ 酵素+dNTP
⇒ DNAは2倍
得られたものを,もう一度,熱変性から繰り返す
耐熱性菌の酵素を用いると加熱・冷却の繰り返しが可能になった。⇒PCR法の発明
PCR(Polymerase Chain Reaction) ポリメラーゼ連鎖反応の概要
・一対のプライマー
・耐熱性DNAポリメラーゼ
・鋳型DNA
・基質ヌクレオチド(四種類)
を試験官に入れて、
95℃→50℃→70℃でDNA合成→95℃で2倍量にするの繰り返しで増やせる。
Kary Banks Mullis 「PCR:ポリメラーゼ連鎖反応」の開発
マリス博士(1944~)が開発し、1993年にノーベル化学賞を受賞している。
遺伝子組み換えなしにDNA増幅ができる。
プライマーの設定でDNAの増やす部分を指定できる。
特定DNAを簡単,大量に扱える。
DNAの定量もできる。
特定遺伝子の有無をテストできる。
特定遺伝子の変異をテストできる。
DNAの多型による親子鑑定・病気診断など
非常に広範な研究・解析を簡単化し,加速した。
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