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こんにちは、たれぞうです。自作の競馬予想AIの開発記、2本目です。
前回の記事では、予想AIの全体像と、16年分のレースで検証した回収率を紹介しました。今回は、AIに何を覚えさせたら予想が良くなったのか、逆に良くならなかったのかをまとめます。
結論から言うと、「効きそう」と思っていた要素ほど効かないことが多く、正直かなり意外な結果でした。
前提:「オッズに表れていない分」だけを探している
前回も書いたとおり、このAIはオッズから計算した勝率をスタート地点にしています。オッズには、たくさんの人の予想がすでに反映されています。
そのため、ここでいう「効く要素」とは、みんながすでに知っている情報ではなく、オッズに比べてまだ評価されていない情報のことです。「強い馬を見分ける要素」とは少し意味が違うので、そこを頭に置いて読んでください。
どうやって「効く・効かない」を判定したか
新しい要素を足すたびに、直近5年について「その年より前のデータだけで学習したAI」が、その年の1着馬にどれだけ高い勝率を付けられたかを比べました。
要素を足して予想が良くなった年が多く、平均してもプラスなら「使う」、そうでなければ「使わない」と決めています。過去のデータにだけ当てはまる“まぐれ”の要素を使わないためのルールです。
効いた要素
① 血統(父・母の父):5年連続でプラス
一番はっきり効いたのが血統です。「父の産駒が、今回と同じ芝・ダート、同じ馬場状態(良か道悪か)、同じくらいの距離で、人気以上に走っているか」を数値にしたところ、直近5年すべてで予想が良くなりました。
特に効いていたのは、母の父の産駒が今回の芝・ダートで走っているかと、父の産駒が今回の馬場状態で走っているかでした。雨の日の「道悪が得意な血統」は、オッズに十分反映されていないのかもしれません。
② 最後の直線の速さ(上がり3ハロン)
過去のレースで、最後の600mを速く走れていた馬ほど、オッズの評価以上に勝っていました。AIが学習した係数の中でも、影響が大きい要素の一つです。
③ 前に行く馬(脚質)
最初のコーナーで前の方にいる馬ほど、オッズの評価以上に勝ちやすいという結果でした。競馬では「前に行った馬が有利」とよく言われますが、それがまだ人気に十分反映されていないということになります。
④ 調教師:効く年と効かない年がある
「調教師が人気以上に勝たせているか」は、5年のうち3年はプラスでしたが、直近2年はマイナスでした。平均ではプラスなので今は使っていますが、効き目が薄れてきている可能性があり、今後も見張っていく要素です。
効かなかった要素
① スピード指数:5年連続でマイナス
一番意外だったのがこれです。過去の走破タイムから計算する「スピード指数」は、競馬予想の定番ですが、足すと5年すべてで予想が悪くなりました。
理由として考えられるのは、スピード指数が有名すぎて、すでにオッズにしっかり織り込まれていることです。みんなが見ている数字を足しても、オッズ以上の情報にはならないということだと思います。
② 調教の評価:ほぼ効果なし
調教(レース前のトレーニング)の評価もA〜Dで数値にしてみましたが、5年のうち3年は変化なし、残り2年も小さなプラスにとどまりました。基準を満たさなかったので使っていません。
③ 馬主、母系の産駒成績
「この馬主の馬はよく走る」「この母の子どもはよく走る」といった要素も試しましたが、どちらも予想はほとんど良くなりませんでした。
④ 誕生日(早生まれ):データ不足
同じ学年でも早く生まれた馬のほうが成長が早いのでは、と考えて試そうとしましたが、データがそろっているのが全体の13%ほどしかなく、まだ判断できていません。
ほかにも見えてきたこと
- 人気馬は、オッズより少しだけ強い:裏返すと、人気薄の馬は少し買われすぎています。実際、単勝50倍〜100倍の馬に期待値で賭けた場合の回収率は47%と、大きく負けていました。
- 複勝率の高い騎手は、買われすぎ:騎手の複勝率が高いほど、オッズに比べると勝ちにくいという結果でした。有名な騎手には人気が集まりすぎるのだと思います。
- 中2週以内の出走は、やや割引:間隔を詰めて使われた馬は、オッズの評価よりやや勝ちにくい傾向がありました。
まとめ
- 効いた:血統(父・母の父)、上がり3ハロン、前に行く脚質、調教師(ただし弱まり気味)
- 効かなかった:スピード指数、調教評価、馬主、母系の産駒成績
- まだ分からない:誕生日(データ不足)
「有名で、みんなが見ている情報ほど効かない」というのが、今回いちばんの学びでした。オッズに勝つには、みんなとは違う角度の情報が必要だということだと思います。
次回は、表形式のデータに強い機械学習の手法「LightGBM」で作った別バージョンと、いまのモデルを比べてみます。


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